酵素阻害 (EIA) 法によるmethotrexate (MTX) 大量療法の血中濃度モニターで, trimethoprim, sul-famethoxazole (ST合剤) 服用中の2症例で臨床毒性と相関しない高値を呈したので, 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 法で血清を分析し, ST合剤がEIA法に及ぼす影響を酵素dihydrofolate reductase (DHFR) 阻害率より検討した.HPLC法では2症例とも血中MTXは毒性閾値濃度 (48時間目 : 5.0×10-7M) 以下であった.trimethoprimはMTXの1/7のDHFR阻害能を示し, EIA法でHPLC法の2~3倍の血中MTX濃度高値を呈した主因はtrimethoprimの影響であることが確認された.MTX投与前後はST合剤の投与を中止し, EIA法で血中濃度が高値の場合は特異的測定法であるHPLC法で確認することが重要と考えられた.