日本小児血液学会雑誌
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Cytosine arabinoside による白血病細胞のthymidineのとりこみの阻害程度と少量投与効果
二宮 恒夫広瀬 政雄高上 洋一渡辺 力大内 徹佐藤 純子小山 啓也阿部 孝典鈴江 毅村川 和義
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1988 年 2 巻 1 号 p. 13-19

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抄録

Cytosinearabinoside (Ara-C) は急性非リンパ性白血病を中心にご使用されている抗癌剤であるが, その効果は症例によりまちまちである.われわれは急性白血病の再発例あるいは寛解導入不能例からえられた白血病細胞のAra-C による3H-thymidine のとりこみの阻害程度を調べ, 臨床効果との相関を検討した.方法 : RPMI 1640 (25 mM Hepes buffer と30%自己血清を含む) に浮遊させた白血病細胞1~2×105個とAra-C (最終濃度30 ng/ml) をマイクロプレートで反応させ5時間と24時間反応後に0.2 μCi の3H-thymidine を入れ, セルハーベスターにて細胞を回収し, 放射活性をシンチレーションカウンターにて測定した.結果 : 5時間反応後のとりこみの阻害程度が24時間反応後も同じ程度阻害されていた3例 (再発例) が, Ara-C 少量投与にて寛解に至った.24時間反応後のとりこみが5時間反応後より多くなる症例は, Ara-C大量あるいは通常投与量で寛解しなかった.

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