1988 年 2 巻 2 号 p. 168-174
B-cell malignancy5例についてc-myc遺伝子再構成の検討を行った.急性リンパ性白血病 (FAB分類L1) の1例には再構成は認められなかったが, バーキット型リンパ腫では3例中2例に, また非バーキット型リンパ腫の1例にも再構成を認めた.バーキットリンパ腫では全例にc-myc遺伝子の再構成が予想されたが, 再構成を認めない症例があったことから, 本邦におけるバーキットリンパ腫には転座点を異にする少なくとも二つの亜型が含まれている可能性がある.一方, 非バーキット型でも再構成を認めたことから, c-myc遺伝子がバーキット型のみならず, 非バーキット型の発生機序にも広く関与している可能性が示唆された.