主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第48回年会
回次: 48
開催地: 函館工業高等専門学校
開催日: 2024/09/13 - 2024/09/15
日本では地震や豪雨によって毎年数多くの土砂災害が発生している.土砂災害の防止・軽減のため,ハード・ソフトの両面から対策が進められているが,土砂災害の発生メカニズムや防災対策施設の機能等が広く周知されているとは言い難い.そこで,本研究では土砂災害の仕組みと防災対策を学ぶための砂防えん堤モデルを製作し,実験を行った. 実験では水量を変化させて土砂災害の発生機構と対策の有無による市街地の被害程度を評価した.その結果,水量が増えると土石流が発生し市街地は氾濫すること,砂防えん堤を配置することで氾濫は抑えられることが分かった.本実験は土砂災害の発生機構から発生後の被害形態,被害を防ぐ対策工について網羅的に理解する上で有効であるとともに,大雨による気象災害のモデル実験としての活用のほか,理科で学習する土砂災害の発生メカニズムと技術科の防災の技術を含む教科横断型のSTEAM教育に資すると考えられる.