非ホジキンリンパ腫を合併したBloom症候群の1例を報告する.患児は6歳の女児で1985年7月, 腰痛にて当院に紹介された.骨X線写真で胸腰椎の圧迫骨折と頭蓋の多発性の骨溶解像を認め, 骨髄塗抹標本では芽球が76%を占めていた.芽球は細胞生化学的にはPAS染色陽性, ペルオキシダーゼ染色陰性で, 表面マーカー検索ではOKIa1, OKB2が陽性, SmIg, OKT11は陰性でErosette形成能はなかった.染色体分析では46, XX, i (9q) の表現形質を示した.骨原発の非ポジキンリンパ腫と診断し, 化学療法, 放射線療法を行い骨髄寛解を得た.細胞学的検索の結果, 姉妹染色分体交換が著しく高頻度であることからBloom症候群と診断された.1987年3月, 骨髄に再発し, DICと高カルシウム血症を併発した.化学療法, 支持療法のかいなく発症から49ヵ月で死亡した.