日本小児血液学会雑誌
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臍帯血移植により寛解を維持しているRAEB-AML-M6症候群の乳児例
佐藤 智信金田 真井口 晶裕小林 良二
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2006 年 20 巻 1 号 p. 51-54

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抄録
小児における赤白血病 (AMLM6) は急性骨髄性白血病 (AML) の中でもきわめてまれであり, 近年, refractory anemia with excess of blasts (RAEB) と同一疾患として扱う流れにある.今回われわれはRAEB-AML-M6症候群の女児例を経験した.生後6ヵ月から発熱を繰り返し, 血小板減少と肝脾腫に気づかれた.骨髄穿刺で赤芽球過形成を認め, 3血球系統に異形成が存在した.非赤芽球に占める芽球の割合は9%で, peroxidase染色およびPAS染色が陽性でありRAEB-AML-M6症候群と診断した.化学療法を行った後, 非血縁者間膀帯血移植を施行した.移植前処置はBUS+L-PAMで行い, 移植片対宿主病 (GVHD) 予防はCsA+mPSLで行った.現在, 移植後1年6カ月を経過しているが再発の徴候はなく良好な経過をたどっており, RAEB-AML-M6症候群に対して寛解期での非血縁者間膀帯血移植は有効な治療であると思われた.
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