日本小児血液学会雑誌
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造血器腫瘍に対する分子標的治療-現状と将来展望-
東條 有伸
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2006 年 20 巻 1 号 p. 8-15

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抄録
腫瘍で活性化されているシグナル伝達分子や腫瘍特異的遺伝子異常, およびその産物を標的とするさまざまな治療薬が開発されつつある.造血器腫瘍の分野では, 既に慢性骨髄性白血病の標準的治療薬となっているイマチニブメシレートや急性前骨髄球性白血病の分化誘導剤全トランス型レチノイン酸 (ATRA), さらにカテゴリーとしてはむしろ細胞標的療法に分類されるモノクローナル抗体医薬としてB細胞リンパ腫に対するリツキシマブなど, 分子標的薬の金字塔ともいうべき薬剤の開発実績があるため, 今後も分子標的治療薬開発における格好の対象疾患となるであろう.実際, 現在多数の薬剤が臨床試験中である.
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