日本小児血液学会雑誌
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リツキシマブを併用した免疫寛容導入療法を試みた重症血友病Aの高インヒビター保有例
天野 芳郎足立 浩内田 範子赤澤 陽平中村 真一南 勇樹若林 靖伸安井 耕三
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2007 年 21 巻 3 号 p. 121-124

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抄録
高いインヒビター値をもっ重症血友病Aの4歳男児において, 抗CD20モノクローナル抗体 (リツキシマブ) を併用した免疫寛容導入療法を行った.リツキシマブは375mg/ m2を1週間ごとに4回投与し, 血漿由来VIII因子製剤 (1回100IU/kg) は3回目のリツキシマブ投与時から開始し, その後週3回の投与を6カ月間続けた.その結果, VIII因子投与後のanamnestic responseは抑制され, インヒビター値は141BU/mlから80BU/mlまで徐々に低下したが, それ以下には低下せずインヒビターは消失しなかった.また経過中, 低ガンマグロブリン血症と, 重度の好中球減少がみられたが, 重篤な感染は合併しなかった.高いインヒビター値をもっ重症血友病Aの症例に対してリツキシマブが有用である可能性はあるが, 治療の適応, 投与方法, 免疫寛容導入療法の併用の有無, 安全性, 経済的有用性などの検討が必要である.
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