日本小児血液学会雑誌
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小児白血病におけるフローサイトメトリーを用いた微少残存病変の解析
出口 隆生
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2008 年 22 巻 4 号 p. 293-299

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抄録

微少残存病変 (MRD) は, もっとも強力な予後因子の1つであり, 治療反応性を評価するために利用されている.多くのMRD測定法の中で, フローサイトメトリーを用いた免疫学的MRDは, 非常に簡便で, 小児急性リンパ性白血病 (ALL) 患者では広くモニタリングに使用されている.この方法は, 白血病細胞表面上にのみ存在する免疫学的表現型を同定することで, 0.01%の感度をもち, 90%以上の小児ALL患者に適用可能である.MRDの値と臨床予後の間には, 強力な関係が存在することがすでに報告されており, 欧米における多くの小児ALL治療プロトコールでは治療強度の決定に, この免疫学的MRDを実際に用いている.しかしながら, わが国におけるMRDの臨床応用はいまだ限定的で, 適切な治療強度の選択・治療の個別化のためには, わが国でも速やかにMRDの測定によるリスク分類が開始される必要があると考えられる.

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