日本小児血液学会雑誌
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白血病耐性細胞に対するmethotrexateおよび1-β-D-arabinofuranosyl cytosineの時間差併用療法の研究
宮野 孝一横山 〓
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1989 年 3 巻 1 号 p. 33-40

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抄録

Ara-C耐性細胞は, 非耐性細胞に比してcytidinedeaminase活性が上昇し, deoxycytidine kinase活性が減少しており, Ara-C耐性機序に両酵素活性が大きく関係していることが明らかになった.また, Ara-Cの細胞内取込みも著明に減少していた.Ara-C耐性細胞をMTXとincubateすることによりcytidine deaminase活性は減少し, deoxycytidine kinaseは上昇した.これらの現象はMTX処理によって, Ara-C耐性を解除する効果を有すると推定された.なおMTX前処理はAra-Cの取込みも増加させた.以上の成績より, MTXを1~2時間前に前処理させたAra-Cとの併用は細胞毒性の上で, 協同作用を有すること, またAra-C耐性細胞にも有効であることが知れたので, sequential ACMP regimenを開発し臨床に応用した.19例の難治性の白血病症例でS-ACMP療法を試み, 9例に, CR (47%), 6例にPR (32%) を得, 計79%の例に効果が認められた.

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