抄録
症例は13歳の女児.Hyperleukocytosisを伴ったT cell ALLで, tumor lysis syndrome, 頭蓋内出血, 糖尿病を併発した.貧血, 出血傾向, 肝脾腫, リンパ節腫大がみられ, 白血球数は73万で90%が芽球で占められ, 骨髄も95%が芽球で占められていた.形態学的, 細胞化学的, 免疫学的にT cell ALLと診断された.血清クレアチニンは5.8mg/dlで尿酸は17mg/dlであった.TCLSG-11-protocol HEXに従い化学療法を行いながらleukapheresisを3回施行した.1回目のleukapheresisで血液粘稠度は9.72から6.06に, 白血球数は77万から64万にそれぞれ低下した.PrednisoloneとL-asparaginaseにより糖尿病を併発したためインスリン療法を行い, また, 神経症状ははなかったが, CTで頭蓋内出血が認められた.患児は完全寛解となったが, 13ヵ月後に再発, 肺炎のため永眠した.