抄録
水熱処理法による炭化汚泥等からのリン抽出法について検討している。これまでの研究では最適のリン抽出条件は炭化物50gに対して水酸化ナトリウム添加量:30g、加熱温度:120℃~150℃、加熱時間:2時間と判断された。抽出したリンを省エネで濃縮すること、リン酸塩を結晶化分離後の未反応アルカリの有効利用、リン回収物の性状、抽出率の向上などが課題となっている。このため、抽出液の濃縮方法、アルカリの再利用、回収リンの性状等についても検討を行った。加熱処理により炭化物中のリンはNa3PO4として回収され、未反応のアルカリを再度使用してもリン回収率の低下は認められなかった。固液比を低くし、繰り返し洗浄を行うことでリンを結晶化させる濃度に濃縮することが可能と判断された。