日本小児血液学会雑誌
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G-CSFおよびmitoxantroneによるマウス骨髄単球性白血病細胞WEHI-3B (D+) の分化誘導の機序に関する検討
梶ケ谷 保彦佐々木 秀樹生田 孝一郎関口 晴之高橋 浩之松山 秀介
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1990 年 4 巻 4 号 p. 329-334

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抄録

mitoxantrone (MIT) および遺伝子組換え型ヒトG-CSF (rhG-CSF) のマウス骨髄単球性白血病細胞株WEHI-3B (D+) に対する分化誘導作用機序にこついて検討した.液体培養系で, WEHI-3B (D+) の細胞濃度にかかわらず, MITによりWEHI-3B (D+) 細胞の成熟顆粒球様細胞への分化傾向が認められ.nitroblue tetrazolium 還元能の誘導およびASD chroloacetate esterase の染色性の増強傾向がみられた.直接作用ではなく二次的な分化自己誘導により分化誘導活性を示すことがこれまでに判明しているrhG-CSF では, 低細胞濃度の場合にごは分化誘導作用が認められなかった.WEHI-3B (D+) 細胞の細胞濃度が1×105/ml未満の場合にもMITによる分化誘導が観察されたことより, G-CSFによる分化誘導とは異なり, MITの直接作用であることが示唆された.

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