1990 年 4 巻 4 号 p. 380-385
4例の小児皮膚原発non-Hodgkin's lymphomaの症例を経験し, うち3例でimmunophenotype とgenotypeを検索した. 4例の年齢は2~7歳で, 原発部位は全例頭頸部であり, 診断時stageIVが2例, 他の1例は診断後4年目に再発をきたした. Immunophenotypeでは, 3例とも初回検索時CD19, HLA/DRが陽性でそのうちの1例はCD10も陽性であった.Genotypeは免疫グロブリン遺伝子H鎖の再構成が検索しえた3例でみられ, すべてB-lineageoriginであった.本邦の文献例と自験例の検討から, 小児の皮膚原発NHLはNHLの中でも特異な亜群を形成しており, その特徴は以下のごとく要約される.1) 乳幼児に多い, 2) 頭頸部の原発が多い, 3) B-1ineageが多い, 4) 早期に進展し予後不良の例がかなりある.