日本小児血液学会雑誌
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大量γ-globulin反復療法を試みた治療抵抗性の慢性ITPの3症例
横林 文子太田 きよみ水田 俊涌波 淳子竹迫 憲次佐藤 ふさこ八木 信一三浦 洋藤野 光喜小林 嘉一郎片岡 直樹守田 哲朗
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1990 年 4 巻 4 号 p. 371-379

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抄録

従来からの副腎皮質ステロイド療法ならびに大量methylprednisolone (以下M-PSLと略) パルス療法に抵抗していた小児慢性ITP3例に対して, 約1ヵ月に1回の頻度でγ-Glb 1g/kg/dayの大量反復投与 (以下19大量γ-Glb療法と略す) を試み, 全例で出血症状の軽減を, 2例で血小板数の増加を認め, 治療中止・寛解状態へと導入できた.19大量γ-Glb療法は400mg/kg連続5日投与 (以下400mg大量γ-Glb療法と略す) とくらべ, 経費節約的治療であり, また反復投与により400mg大量γ-Glb療法よりも効果の持続が長く, 治療中止へと導入できる可能性が高い点においてすぐれた治療方法であると思われた.3症例の臨床経過とともにPAIgG, T-cell subsetの経時的変化に関して若干の文献的考察を加えて報告した.

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