日本小児血液学会雑誌
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重篤な卵巣出血に対してフィブリノゲンの補充療法が奏効した先天性無フィブリノゲン血症
滝 正志伊藤 浩信桝井 志保鈴木 優佳目黒 嵩塩口 淳一郎佐賀 正彦山田 兼雄
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1992 年 6 巻 2 号 p. 144-147

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抄録
重篤な卵巣出血を呈した先天性無フィブリノゲン血症例を報告した.患者は既に診断が確定された症例であるが, 急性腹症で緊急入院となった.血液検査, 腹部エコー, MRIにより速やかに卵巣出血と診断し, 濃厚赤血球輸血, フィブリノゲン製剤および新鮮凍結血漿の補充により後遺症を残すことなく治療できた.先天性無フィブリノゲン血症の患者が急性腹症を呈した場合, 卵巣出血の可能性を常に考慮し, 速やかに的確な対処をすべきである.
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