抄録
症例は15歳女児で, 初診時末梢血, 骨髄所見より急性リンパ性白血病と診断した.寛解導入療法後の好中球減少症に伴って発熱し, 抗生剤に加えて抗真菌剤fluconazoleを投与して解熱した.その後, 好中球数が回復したが血清CRP値は正常化せず, 腹部CTにて肝, 脾, 左腎に多発性の低吸収域を認めた.血液培養, 尿培養は陰性だったが, 検尿にて真菌を認め, 便培養でCandidaが検出された.Fluconazoleを増量してCRP値は正常化した.以後, 強化療法後に発熱はないがCRP値が上昇し, 好中球数回復に伴って正常化するepisodeを繰り返した.画像では, Candida膿瘍に特徴的とされているtarget signを超音波にてより早期に認め, 約1年後には石灰化を示唆する所見となった.化学療法とfluconazole投与を交互に行い, 現在まで初回寛解を維持している.