日本小児血液学会雑誌
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肝機能障害を伴わずに一過性高アンモニア血症を呈した急性リンパ性白血病の2例
森本 克細谷 亮太西村 昂三
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1992 年 6 巻 2 号 p. 152-157

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抄録
我々は肝機能異常を伴わずに一過性高アンモニア血症を呈した急性リンパ性白血病2例を経験したので報告する.症例1は, 10歳の骨髄再発例で, 真菌性肺炎の治療中に意識障害を呈し, 高アンモニア血症, 低カリウム血症, 代謝性アルカローシスを認めた.高アンモニア血症に対する治療に反応して40時間後には回復した.症例2は13歳の初発例で, 化学療法直前, 大量補液とアルカリ化の後に無症候性高アンモニア血症を認めた.しかし, 化学療法開始後速やかに改善した.ともに重篤な肝機能異常は見られず, 明らかな高アンモニア血症の原因は認められなかった.
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