日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
Print ISSN : 0913-8706
ISSN-L : 0913-8706
Etoposideを中心としたLetterer-Siwe病の治療終了後に急性前骨髄球性白血病を発症した1例
北林 耐関口 典子柳井 眞理佐山 圭子内田 寛松下 竹次伊勢 泰
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 6 巻 3 号 p. 232-236

詳細
抄録
Etoposideを中心としたLetterer-Siwe病の治療後に, 急性前骨髄球性白血病を発症した1例について報告した.症例は3歳4ヵ月の女児で, 5ヵ月時に頸部リンパ節腫脹に気づき, 骨髄穿刺・リンパ節生検にてLetterer-Siwe病と診断された.EtoposideにCPM・VCR・MTX・PSLを組み合わせた化学療法終了9ヵ月後に急性前骨髄球性白血病を発症した.BFM-83 Protocolに準じた治療を行い寛解導入することに成功したが, 維持療法中急性心不全により死亡した.小児の二次発癌の症例報告が最近増えているが, Letterer-Siwe病の後に急性前骨髄球性白血病を発症した報告は検索した限り認めなかった。また最近etoposideを大量に投与した後に二次発癌をきたす症例報告が散見されており, 本症例についてもetoposideによる二次発癌の可能性が考えられた.
著者関連情報
© (社)日本複写権センター
前の記事 次の記事
feedback
Top