抄録
Etoposideを中心としたLetterer-Siwe病の治療後に, 急性前骨髄球性白血病を発症した1例について報告した.症例は3歳4ヵ月の女児で, 5ヵ月時に頸部リンパ節腫脹に気づき, 骨髄穿刺・リンパ節生検にてLetterer-Siwe病と診断された.EtoposideにCPM・VCR・MTX・PSLを組み合わせた化学療法終了9ヵ月後に急性前骨髄球性白血病を発症した.BFM-83 Protocolに準じた治療を行い寛解導入することに成功したが, 維持療法中急性心不全により死亡した.小児の二次発癌の症例報告が最近増えているが, Letterer-Siwe病の後に急性前骨髄球性白血病を発症した報告は検索した限り認めなかった。また最近etoposideを大量に投与した後に二次発癌をきたす症例報告が散見されており, 本症例についてもetoposideによる二次発癌の可能性が考えられた.