日本小児血液学会雑誌
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日本の血友病専門医の治療傾向に関する一考察
大井田 隆
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1992 年 6 巻 5 号 p. 428-436

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抄録
血液凝固因子製剤委員会および厚生省は国内献血由来の血液凝固因子製剤を供給するため, 血友病治療医を対象に血友病の患者数, 1年間の製剤使用予定量および製剤名についてアンケート調査を実施した.その結果, 患者数については血友病Aが, 3,163名, Bが564名, von Willebrand (vW) 病456名が把握された.男子人口10万人当りの血友病AとBの患者数は6.1人であり, 地域別では中部地方の7.9人から四国地方の3.6人と若干の差が認められた.また, 血液凝固因子製剤の年間使用予定総量は第V皿因子製剤で約1億単位, 第IX因子製剤で約2千万単位, vW因子製剤で約2百万単位であった.これを患者一人当りの使用量で見ると地域別の差があるとともに多くの患者を抱えている医療機関ほど患者一人当りの予定使用量が少なかった.さらに日本と米国の第III, IX因子製剤の過去15年間の経年的変化を見ると, 両国とも総使用量は伸びているが, 2製剤とも米国は日本の約4倍の使用量があった.
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