日本小児血液学会雑誌
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11q23染色体異常を有する小児白血病の臨床的検討
生嶋 聡片岡 佳子吉原 隆夫東道 伸二郎森岡 義仁日比 成美今宿 晋作
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1993 年 7 巻 5 号 p. 420-424

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抄録
1984-1991年の8年間に11例の11q23転座型小児白血病を経験しその臨床的特徴を検討した.内訳はALL (2例), ANLL (8例), JCMLの急性転化例 (1例) であった.ALLの2例は乳児期発症 (1m, 8m) で著明な肝脾腫および白血球著増 (252×103/mm3, 397×103/mm3) を示し, 芽球のphenotypeはCDlO-のB前駆細胞形質であった.2例とも早期に死亡した.ANLL7例は, 1.2-12.5歳 (中央値4歳) と比較的高年齢にみられ, FAB分類ではM4 (3例), M5 (4例), M7 (1例) であった.白血球増加 (≧100×103/mm3) が4例にみられた.これらANLL症例は, 正常核型およびllq23以外の異常核型を有する症例に比べ予後不良 (p<0.01, p<0.05) であり, 骨髄移植を含めた強力な化学療法と十分な支持療法が必要と考えられた.JCMLの1例は急性転化時にt (11;19) の核型異常が出現し, 最近注目されているetoposideによる2次性白血病の可能性が示唆された.
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