日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
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小児急性白血病細胞CD34発現の臨床的意義に関する研究
川井 進〓 志敏清水 宏之藤本 孟男前田 秀典武田 武夫岡 敏明渡辺 新菊田 敦松下 竹次麦島 秀雄内海 治郎西川 健一石田 也寸志川上 清具志堅 俊樹関根 勇夫小泉 晶一
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1994 年 8 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

急性リンパ性白血病80例および急性骨髄性白血病75例について, 白血病細胞の造血幹細胞関連抗原CD34発現の頻度と臨床意義について検討した.ALLでは71.3%, AMLでは53.3%がCD34抗原が陽性であった.CD34陰性ALL23例とCD34陽性ALL57例について, 他の抗原発現について比較すると, CD34陽性AUでは穎粒球関連抗原であるCDl3とCD33を同時に発現している傾向があった.CD34陰性ALLとCD34陽性ALLの間では臨床特徴について有意な違いは見られなかった.AMLにおけるCD34発現はFAB分類の病型と強い関連性があった.M1, M2の80%がCD34陽性であったのに対し, M3, M4およびM5は25.9%のみCD34陽性であった.CD34陽性の骨髄芽球はリンパ球関連抗原であるCD2, CD10やCD19も同時に発現する傾向があった.この研究では, ALLとAMLにおけるCD34発現の予後因子としての意義を認めなかった.

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