日本小児血液学会雑誌
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EDTA依存性偽性血小板減少症の1例
PAIgGについての検討
山本 隆宮田 曠
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1994 年 8 巻 1 号 p. 58-62

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抄録
約1年半の問, 特発性血小板減少性紫斑病と診断されていたEDTA依存性偽性血小板減少症 (EDTA-PTCP) の11歳の女児例を経験したので報告した.患児の血小板数はEDTAやsodium citrateの添加採血後に経時的な減少を示し, EDTA添加採血の塗抹標本の顕微鏡的観察では血小板の明らかな凝集を認めた.さらに, EDTAの存在下に健康正常人から得た血小板は, 患児の血清の添加によって凝集を認めた.ELISAによるPAIgG値は, EDTA加血では高値を示したが, ヘパリン加血では正常域値であった.EDTA-PTCPは真の血小板減少と誤診されることが多く, 十分な注意が必要である.
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