日本小児血液学会雑誌
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頻回の輸血後, HLA不適合ドナーより骨髄移植を行った重症再生不良性貧血の1例
小田 孝憲鈴木 信寛要藤 裕孝加藤 静恵工藤 亨千葉 峻三
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1994 年 8 巻 1 号 p. 53-57

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抄録
HLA一抗原不適合の姉より骨髄移植を施行した重症再生不良性貧血の1例を報告する.症例は12歳の男児で, 免疫抑制剤やサイトカインなど, 種々の治療にても効果がみられず頻回の輸血を必要とした.前処置はcyclophosphamide 50mg/kg×4, TBI 3Gy, GVHD予防にはcyclosporin A+short term MTXを行った.生着は速やかで, day 25に顆粒球500/μl, day 27に網状赤血球1%, day 28に血小板2×104/μlを越えた.急性GVHDはgrade IIであったが, メチルプレドニゾロンパルス療法にて軽快した.小児重症再生不良性貧血では, 種々の治療が効を奏しない場合は, HLA一抗原不適合の血縁ドナーが得られれば, 早期に骨髄移植を実施すべきと思われた.
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