抄録
末梢血幹細胞採取前に大量化学療法を受けた非ポジキンリンパ腫, 神経芽細胞腫, 急性リンパ性白血病における血清チミジンキナーゼ (s-TK) 活性を経時的に測定した.s-TK活性は, 化学療法後は低値を示し, その後急激に上昇した.s-TKと白血球数, CD34陽性細胞数とは有意の相関が見られた.そして, s-TK活性とCD34陽性細胞数は, 白血球数が5,000~15,000/μlに増加した時点で最高値を呈した.このことから, s-TK活性は造血幹細胞の増殖を反映しており, 末梢血幹細胞採取の指標になりうると考えられた.