2023 年 85 巻 4 号 p. 219-225
獣害対策や生態系調査における野生生物の行動分析手法の一種のカメラトラップは,人力でデータを確認するため分析コストが高いという問題がある。本研究ではシカを対象としたカメラトラップデータを自動で分析する手法として,動画中のシカの部位の位置や軌跡を描いた「BoxFlow画像」を用いてCNNにより行動や状態を判定する手法を提案した。Moving,Eating,Distanceの3つのカテゴリを出力に設定し,交差検証の考え方を用いたテストを行った結果,部位検出に成功しBoxFlow画像が得られた場合Moving 0.789,Eating 0.862,Distance 0.872の平均精度で分類が可能であった。