2021 年 5 巻 論文ID: 2021-013
質の高い医療を患者に提供するためには,多様な専門性をもつスタッフによるチームアプローチが求められる.学部教育において多職種連携教育(interprofessional education: IPE)の重要性が問われ始めて久しい.学部学生・大学病院・地域住民との協業におけるチーム医療の実践報告や,医療職にとどまらない介護・福祉職や住民との連携実践例の報告を通して,それぞれの構成員がもつ基礎的な知識や技能をもとに,主体的に議論に参画し,患者や家族が抱える課題をそれぞれの視点でアセスメントした上で,適切な介入や支援に繋げていくことが重要であると考えられる.医療専門職連携の実践に向けて学部レベルでの養成プログラム・カリキュラムの連携を推進するとともに,卒後の医療現場・地域における継続的学修機会の確保が,医療現場や地域ニーズに応える多職種連携教育の実現に必要である.