薬学教育
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早期公開論文
早期公開論文の5件中1~5を表示しています
  • 岡田 直人
    原稿種別: 総説
    論文ID: e09025
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/09/18
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    近年,リアルワールドデータ(RWD)を活用したデータベース研究の重要性が高まっている.しかし,RWDの特性や限界を理解せずに研究に応用すると,誤った結果や不適切な医療判断を招く恐れがある.薬剤師がRWDを用いて臨床課題に即したエビデンスを正しく創出し実臨床に還元するためには,適切な教育を受けたうえで実施する必要がある.そのために,RWDの構造的理解,課題設定力,適切な研究デザインの構築力,結果の解釈と応用力を身につける教育が求められるが,これら教育は断片的に行うのではなく,これらが有機的に繋がった包括的な教育が不可欠である.本稿では,臨床現場でデータベース研究を推進するために必要な教育として,「特徴の理解」「課題の理解」「限界の理解」という三つの視点に基づいた薬学教育の在り方について論ずる.

  • 伊藤 綾子
    原稿種別: 総説
    論文ID: e09020
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/08/08
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    東京医科大学医学部看護学科では,2015年より9年間にわたり,薬学科・医学科と連携した多職種連携教育(IPE)を実践してきた.模擬患者を活用したシミュレーション形式の授業により,多職種の視点や役割を理解し,連携の重要性を学生が体験的に学ぶ機会を提供している.コロナ禍ではオンライン形式に移行し,ICTを活用した健康相談を通じて,非対面でも主体的な学びと協働を継続した.学生からは,他学科との協働が刺激となり,実践的な学びにつながったとの評価が多く寄せられた.一方で,学年や学習進度の違いによる課題も指摘されており,今後は教育内容の最適化を図るとともに,高学年を対象とした,より実践的で高度な内容への展開や,学習段階に応じた課題設計が求められる.

  • 中村 由喜
    原稿種別: 総説
    論文ID: e09014
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/06/07
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    シンポジウムでは「薬剤師としての使命と責任について自覚した行動」を考える時,改訂コアカリでの薬害・医療安全の位置づけと課題,薬害・医療事故防止から学ぶ活動,薬剤師研修の実践,薬害被害者が薬学教育に期待することを各シンポジストにお話しいただき,この領域の学びの構築を目標とした.TAYA研究会は中高生を対象に「薬害被害者の声を聴き,繰り返さないためにできること」「医療人の資質を考える」などの活動を実践してきた.また実務実習では「薬害被害を繰り返さないという薬剤師の責務」を考え,聴いて,体験して,実践できることに取り組んでいる.これらについて具体的に紹介し考察する.

  • 飯島 久子
    原稿種別: 総説
    論文ID: e09011
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/05/14
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    医療安全は大きな課題であり,医療の現場では様々な対策を取り入れ,医療事故・医療過誤,調剤事故・調剤過誤の防止に努めているが,事故がゼロになることはない.薬学教育コアカリキュラム令和4年度改訂版では,「F.臨床薬学」の「F-3-3 医療安全の実践」において,医療安全の学習目標等が示されている.薬学生が学ぶ医療安全のカリキュラムと実際に現場で必要とされる基本的知識について,私は教育の専門家ではないが,病院の医療安全部門で働く経験や,医療安全管理者を養成するための研修等を参考に考察した.

  • 鈴木 信也
    原稿種別: 総説
    論文ID: e09004
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/03/08
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    東京薬科大学薬学部は,教育研究上の目的や育成する人材像として「医療を担う薬学人」の育成を掲げており,実際に8割近くの卒業生が薬剤師として,医療現場で活躍している.医療現場では高度化・複雑化に伴い,質の高い安全な医療を実現するために,チーム医療が推進され,2022年改訂の薬学教育モデル・コア・カリキュラムでは多職種連携能力が基本的資質として掲げられた.本学は2015年より東京医科大学と連携し,多職種連携教育(Interprofessional Education: IPE)を実施している.本学のIPEは低学年を対象に,模擬患者(Simulated Patient: SP)を活用した短時間完結型の実践的プログラムである.SPは市民ボランティアから募集し,シナリオ勉強会や研修会にて研鑽した上で実習に参加している.本学ではIPE以外の実習にもSPを活用し,学生が医療コミュニケーションを体験し,主体的に気づきを得られる機会を作っている.本稿では,本学におけるIPEおよびSP研究会の運用やSP養成について報告する.

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