2021 年 5 巻 論文ID: 2021-027
2016年度から5年次の選択科目として実施している多職種連携教育(IPE)において,2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大中のため,Zoomを利用した「オンラインIPE」にて実施した.本プログラムは対面でのそれと変わりなく,全8回実施した.薬学生,医学生や看護学生を2グループに分け,各グループはブレイクアウトルームにて各職種の専門的視点からの議論と相互理解のもと,模擬患者家族にアプローチするという取組で行った.討論する症例は「認知症が疑われる糖尿病の患者」であり,グループワークを効率よく行うため,事前にIPEや症例の認知症に関する動画教材を名城IPEホームページから視聴してもらった.終了後のアンケートでは,他職種の考えや見方を知る貴重な機会であったこと,オンライン診療にも対応できる重要な経験であったことが,両学部から挙げられた.これらは,臨床現場での多職種連携が避けられない状況であり,オンライン診療のあり方を学ぶ機会でもあったと示唆され,新たな有用性も見出された.