2023 年 12 巻 2 号 p. 89-98
目的:新聞記事に基づく分析により,新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)流行下における地域のつながりを維持するための工夫を明らかにする.
方法:読売新聞を対象紙とし,データベースを用いて,「コロナ」,「地域」,「つながり」のキーワードをandでつないで検索を行い,49件の記事を分析対象とした.地域のつながりの維持に関する文脈を抽出してコード化し,類似するコードを統合してカテゴリー化した.
結果:COVID-19流行下での地域のつながりを維持する工夫として,《屋外での交流》《感染対策を講じた屋内での交流》の集合型と,《オンラインによる対面交流》《メッセージを交わす》《メッセージを届ける》《物を介した交流》《つながりを感じられるように住民の作品を展示する》の非集合型が示された.
考察:感染状況に応じて集合型の交流を取り入れること,COVID-19流行を機に新たなつながりを築くこと,地域のつながりを健康づくりへと発展させることが重要である.