2024 年 13 巻 2 号 p. 127-136
目的:日本の行政保健師が行う健康なまちづくりに関する研究の動向及び研究成果を明らかにする.
方法:市町村保健師による健康なまちづくりについて選抜した文献30件について研究の動向と研究成果の内容分析を行った.
結果:最も多くの論文が出されたのは2018年であった.「公衆衛生看護技術や支援内容」の研究が15文献と最も多く,健康なまちづくりに関連する「地域づくり」や「地域の強み」などについて,定義づけや概念構築したものが5文献,「地域保健活動に関連する評価尺度開発」が5文献,「地域活動に参画した住民の特徴や変化」の研究が4文献,健康なまちづくりを実際に推進する研究としては,「健康な地域づくりの推進条件」のみと,1件にとどまっていた.
考察:健康なまちづくりの施策推進・評価に向けての研究が進んでいないことが明らかとなった.今後は持続可能で効果的・効率的な健康なまちづくりの施策推進・評価の研究の必要性が示唆された.