日本公衆衛生看護学会誌
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研究
北海道の市町村で働く中堅期保健師のワーク・ライフ・バランスへの自己評価と関連要因
表山 知里工藤 禎子
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2015 年 4 巻 1 号 p. 11-20

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抄録
目的:市町村で働く中堅期保健師のwork-life balance(以下, WLB)実現への示唆を得るために,WLBへの自己評価,及び自己評価の高低に関連する要因を明らかにする.
方法:無記名自記式の質問紙による郵送調査を行い,北海道125市町村の366人 (有効回答率58.1%) を分析した.WLBへの自己評価(100点満点)は低値群と高値群に分け,基本属性,職場環境,仕事・生活への認識等との関連についてFisherの直接確率検定,ロジスティック回帰分析を行った.
結果:WLBへの自己評価の平均値は63.2点,中央値は70点であった.低値群は,疲労を持ち越し,職場環境・仕事への認識が否定的で,生活満足感が低かった.ロジスティック回帰分析では「職員を大切にしている組織である」「メリハリをつけて働き,業務が終われば周囲に気兼ねなく帰ることができる」「家庭内での役割に満足」「休養の質に満足」と回答した人が,有意にWLBへの自己評価が高かった.
結論:中堅期保健師のWLB実現には,仕事と生活のメリハリ,家庭の役割への満足,リラックス・リフレッシュできる質の高い休養,組織の取り組みが重要であると示唆された.
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© 2015 日本公衆衛生看護学会
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