日本公衆衛生看護学会誌
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研究
福祉分野を経験した行政保健師における役割認識の深化プロセス
國府 隆子丸山 美知子鈴木 良美
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キーワード: 行政保健師, 福祉分野, 役割
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2016 年 5 巻 2 号 p. 165-173

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抄録

目的:福祉分野での経験が,行政保健師の役割認識にどのような深まりをもたらしたかを明らかにする.

方法:福祉分野に異動し,再度保健分野に戻った市町村等の行政保健師15名に対し,半構造化面接を行い,質的に分析し記述した.

結果:役割認識の深化には3段階のプロセス,【職業的アイデンティティの揺らぎ】,【保健師活動の本質の再発見】,【普遍的な役割の気づき】があった.このプロセスをとおして保健師は,住民の生活に深く関わる意識を強め,予防活動や社会資源を創設する役割などを再確認し,最終的にはどこの部署でも保健師の役割を発揮することは可能であると確信するようになった.

結論:今後,組織の中で保健師の役割を「開拓する」意識をもつことや,福祉分野の保健師の「揺らぎ」を成長につなげるためのサポートの必要性が示唆された.

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