目的:本研究の目的は,地域の健康課題明確化に向けた自治体保健師による質的データ活用技術を明確にすることである.
方法:対象は,自治体保健師経験5年以上で,地区担当及び研究経験のある12人である.データ収集方法は個別面接であり,対象が地域の健康課題を明確にできた活動事例の展開過程を聴取し,質的記述的に分析した.
結果:質的データ活用技術として,3つの技術,即ち,質的データによって健康課題を実在化する技術,量的データが示す健康課題を質的データによって具体化する技術,事例の危機的状況を質的に分析することによって優先度の高い健康課題を具現化する技術,が質的データの着目から健康課題明確化の展開過程において抽出された.
考察:本技術は潜在的な健康課題の早期把握,原因不明の健康課題の探索に活用できる.