日本公衆衛生看護学会誌
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研究
子どもの障害に気づき広汎性発達障害と診断を受けるまでの母親の生活上の困難
今井 しのぶ古田 加代子佐久間 清美
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2018 年 7 巻 1 号 p. 3-12

詳細
Abstract

【目的】広汎性発達障害と診断される前の児を育てる母親の,子どもの障害に気づいた時期から診断までの時期の生活上の困難について明らかにすることを目的とした.

【方法】1歳から6歳までの広汎性発達障害と診断される前の児の母親10名に半構造化面接を実施し,データを質的記述的に分析した.

【結果】母親の生活上の困難は【子どもの発達障害による反応や行動に振り回されながらも付き合い続けざるをえない】【気持ちと時間の余裕がなく心身共に疲れ切っている】【対応方法が分からず試行錯誤するが上手くいかず楽しみのない育児が辛い】【昼夜子どもに振り回され,自分が思い描く日常とは程遠い生活を送る】などという10のカテゴリーで構成されていた.

【考察】母親は,昼夜子どもの問題にまきこまれて生じる困難を感じていた.繰り返し不安を感じており,周囲から理解されず自らも壁を作り孤立する母親の気持ちに寄り添う継続的な支援の必要性が示唆された.

I. 緒言

発達障害については,通常学級に在籍する軽度発達遅滞を除く発達障害の可能性のある児童生徒は6.5%と推計されており(文部科学省,初等中等教育局特別支援教育課,2012),軽度発達障害児の出現頻度は8.2%~9.3%とされている(厚生労働省,2006).

広汎性発達障害については,発生頻度が増加傾向にある.また,密着した親子関係を持ちにくいため親が可愛いと思いにくい傾向があり(野邑,2012),成功体験の得にくさから,子育てへの不安を高めることも少なくないとされている(永田,2012).さらに広汎性発達障害児の家族(特に母親)では,うつや不安障害になる人が多く,家族自身が発達の偏りを持っている可能性も一般の家族よりも多いとされている(野邑,2012).

広汎性発達障害を含む発達障害は,障害の疑いの時期から診断名がつくまでの時期は平均して2年1か月の期間を要しており,診断までの期間が長いことが発達障害児の特徴であることが明らかにされている(相浦ら,2007).そして親にとって最もつらい時期が子どもの障害に気づく時期から診断名がつくまでの時期で(相浦ら,2007宮内,2012),子どもの年齢は1歳半~3歳5か月(平均2歳半頃)とされている(宮内,2012).また,この時期について宮内(2012)は,家族が子どもの障害による葛藤を経験しながら,親役割の習得や夫婦間の役割分担の再調整といった家族の発達課題を達成せねばならないという二重の困難を抱える時期となると示唆している.

平成28年6月に改正された発達障害者支援法第5条では,市町村は,発達障害の疑いのある児童の保護者への継続的な相談,情報提供及び助言を行うよう努めるとされている.また,同法第13条においても都道府県及び市町村は,発達障害者の家族その他の関係者に対し,相談,情報の提供及び助言,発達障害者の家族が互いに支え合うための活動の支援などを適切に行うよう努めることが明記されており,発達障害の疑いの段階から保護者への支援が求められている.こうした背景の中,広汎性発達障害児には前述の課題があるため,幼児期における母親への支援の必要性が,注意欠陥多動性障害や学習障害といった他の発達障害よりも高い.しかし,幼児期の広汎性発達障害児を育てる母親の研究は限られており,親にとって最もつらいとされた,子どもの障害に気づく時期から診断までの時期に焦点化した母親の生活上の困難に関する研究は見当たらなかった.このため,乳幼児健康診査から始まる,母親への継続した支援を早期から実施するにあたり,広汎性発達障害と診断される前の児(以下「診断前の児」と示す)を育てている母親の生活において何が起きており,どのような困難を感じているかを明らかにすることが必要であると考える.

そこで,本研究では診断前の児を育てる母親の,子どもの障害に気づいた時期から診断までの時期の生活上の困難について明らかにすることを目的とした.

II. 用語の定義

本研究においては,主要な用語を次のとおり定義する.

1. 広汎性発達障害児

広汎性発達障害児とは,専門機関においてDSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition)における自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder)と診断を受けた幼児期にある子どもとする.

2. 生活

生活とは,診断前の児を育てる母親の家庭生活,自身の日常生活,社会生活及びこれらの中で人との関わりに伴って起こる活動などの生命の維持存続とそれを高めていくための営みとする.

3. 困難

困難とは,診断前の児を育てる母親が,生活の中で感じる戸惑い,不安,苦しみ,悩みなどの主観的な負の感情とする.

III. 研究方法

1. 研究デザイン

質的記述的研究をデザインした.

2. 研究参加者および対象選定方針

研究参加者の条件は,専門機関において広汎性発達障害と診断を受けた1歳から6歳までの児を育てている母親とした.母親は直接子どもと接する時間が父親より長く,広汎性発達障害児の母親はうつや不安障害になる人も多い(野邑,2012)ため支援の必要性が高い.保健師は,乳幼児健康診査などでこうした母親に対応することが多いことより,今回の研究は母親に着目することとした.また,研究参加者の除外条件としては次のようにした.

1)親子の関係性において不適切さが認められた母親.

2)うつ状態など精神的に不安定な状態にあると認められる母親.また,現在もしくは過去において継続的な精神科での治療を受けたことがある母親.

3. データ収集方法

A県B市の母子通園施設長へ文書で,除外条件を踏まえた上での研究参加者の選定及び研究参加者へ研究協力依頼用チラシを用いての研究説明,連絡票の配布を依頼し,文書で承諾を得た.連絡表の返信者には研究者から連絡を取り,研究協力への承諾が得られた10名を対象とした.

研究参加者には面接前にフェイスシートに記入依頼し,インタビューガイドに基づいた半構造化面接によりデータを収集した.インタビューでは子どもの障害に気づいた頃から診断を受けるまでの時期を振り返って答えてもらった.インタビュー内容は研究参加者が,家庭生活,自身の日常生活,社会生活の中で感じた戸惑い,不安,苦しみ,悩みといった困難とした.データ収集期間は,平成27年4月から9月までであった.

B市の乳幼児健康診査の受診率は4か月,1歳6か月,3歳児健康診査いずれも90%以上である.言語・精神発達において支援が必要とされる児への支援体制として,子どもへの関わり方や発達を学ぶ教室(1歳10か月時点),健康診査事後教室(概ね2歳以上対象)があり,2歳,2歳6か月といった年齢の節目には保健師が面接や電話などで発達確認を実施している.また,保健部門,福祉部門で臨床心理士などによる発達相談を各々月2回実施している.本研究の母子通園施設では2歳児からの受け入れをしている.

4. 分析方法

質的記述的研究のデータ分析を用いた.得られたデータを逐語録に起こし,研究参加者が子どもの障害に気づいた頃から診断を受けるまでの時期において家庭生活,自身の日常生活,社会生活の中で感じた戸惑い,不安,苦しみ,悩みといった困難に焦点を当て,関連する記述について文脈に留意しながら一続きのまとまりを持った意味ごとに区切って抽出し,コード化した.コードは,他のコードと相違点,共通点について比較分類し,サブカテゴリーからカテゴリーへと抽象化した.また,カテゴリーの出現状況から研究参加者の困難の大きさを考えるために,サブカテゴリーと発言が抽出された事例番号を照合した.この一連の過程では,愛知県立大学看護学研究科の複数の教員とディスカッションし,合意を得られるまで検討を重ねた.また,質的研究に精通した研究者からもスーパーバイズを受けた.研究の厳密さの確保のため研究参加者によるメンバーチェッキングを行った.

5. 倫理的配慮

本研究は,愛知県立大学研究倫理審査委員会の承認(看26-31 承認日平成27年3月20日)を得て実施した.対象者の研究参加への自由意思の尊重,同意の撤回の自由,プライバシーの保護,研究結果の公表方法などを文書と口頭で説明し,対象者には文書にて同意を得た.

IV. 結果

1. 研究参加者(以下母親)と子どもの概要(表1

母親は10名で,年齢は27歳~41歳,平均年齢は34.3歳であった.母親のうち3名が調査時就業しており,勤務形態は常勤(自営),パート,内職がそれぞれ1名であった.また,現在パートとして就業している母親は子どもの年齢が4歳4か月の時点で常勤の仕事を退職していた.母親を含めたきょうだいの人数は1人が2名,2人が3名,3人が5名であった.

表1  研究参加者(母親)と子どもの概要
事例 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
母親 年齢 31 41 32 39 34 27 37 34 40 28
仕事の有無
勤務形態 パート 常勤
(自営)
内職
退職・就職時の子の年齢 退職
4歳4か月
母親を含めたきょうだいの人数 3 2 3 2 1 3 2 3 3 1
子ども 年齢 4歳2か月 4歳4か月 6歳1か月 4歳7か月 5歳2か月 4歳1か月 6歳1か月 2歳11か月 3歳3か月 3歳7か月
性別
子どもを含めたきょうだいの人数 2 2 3 1 2 1 2 1 3 2
家族 世帯構成(家族人数) 核家族世帯
(4)
核家族世帯
(4)
三世代世帯
(7)
核家族世帯
(3)
核家族世帯
(4)
核家族世帯
(3)
四世代世帯
(8)
核家族世帯
(3)
三世代世帯
(7)
核家族世帯
(4)
発達や行動が気になり始めた時期 1歳少し前 1歳6か月 1歳6か月 1歳5か月 1歳6か月 1歳6か月 1歳10か月 1歳位 6か月 1歳位
気になった内容 離乳食を食べない 言葉の遅れ 聞かれたことへの指さしができない 呼んでも振り返らない 言葉の遅れ 言葉の遅れ 集団の場で落ち着きがない 癇癪 寝返りをしない
笑顔がない
落ち着きがない
癇癪
診断時の年齢 3歳9か月 3歳9か月 3歳1か月 2歳3か月 4歳6か月 2歳5か月 2歳6か月 2歳5か月 1歳8か月 3歳0か月

子どもの年齢は2歳11か月から6歳1か月で平均4歳5か月あった.性別は全て男で,子どもを含めたきょうだいの人数は1人が3名,2人が5名,3人が2名であった.

世帯構成は核家族世帯が7世帯,三世代世帯が2世帯,四世代世帯が1世帯であり,全ての世帯に父親がいた.

母親が子どもの発達や行動が気になり始めた時期は,子どもの年齢が6か月から1歳10か月で平均1歳3か月であった.気になった内容としては「言葉の遅れ」,「聞かれたことへの指さしができない」といった言語理解に関する内容や,「癇癪」,「落ち着きがない」,「集団の場で落ち着きがない」といった行動に関する内容,「呼んでも振り返らない」,「笑顔がない」といったコミュニケーションに関する内容,「離乳食を食べない」といった食事に関する内容,「寝返りをしない」といった運動発達に関する内容についてあげられた.

子どもの診断時の年齢は,1歳8か月から4歳6か月で平均2歳10か月であった.子どもの発達について気になり始めてから診断までの期間は,8か月から3年0か月で平均1年7か月であった.

2. 診断前の児を育てる母親の生活上の困難(表2

逐語録から638のコードを抽出し,コードから64のサブカテゴリーを経て10のカテゴリーが抽出された.カテゴリーは【 】,サブカテゴリーは《 》で示した.

表2  診断前の児を育てる母親の生活上の困難
【カテゴリー】 《サブカテゴリー》 事例番号
子どもの発達障害による反応や行動に振り回されながらも付き合い続けざるをえない 激しい癇癪とこだわりに困りながらも付き合い続けざるをえない 3,5,6,7,8,10
事ある毎に泣きと癇癪が長引くが切り替えさせることが難しい 10
泣き止まない子どもを一日中抱き続ける 7
時にパニックを起こすため特定の匂いや音を避けて過ごす 2,4,5,7
家の中でも外でも子どもから目が離せない 3,4,5,7,8,10
特定の人以外や初めての場所を嫌がり慣らすまでに時間がかかる 2,4,5,7
短い間隔で夜泣きを繰り返し睡眠リズムが整えられない 2,3,5,7,10
偏食がひどく決まった物しか食べないため食事の内容に苦労する 1,2,4,5,6,7
食行動や食に興味が無いため子どもに食べさせることで手間と時間がかかる 1,3,4,5
気持ちと時間の余裕がなく心身共に疲れ切っている 子どもが眠ってくれないために自分の眠る時間が無い 2,5,7
子どもの心配事で夜眠れなくなる 1,4
言うことを聞かない子どもを追いかけまわし体は疲れ精神的にも傷つく 1,2,4,6,10
育児疲れと睡眠不足で体調を崩しやすい 2,5,7
必要以上に子どもを叱り自己嫌悪に陥る 1,6
親に辛い時でも頼ることができない 3,4,7
子どもの同胞の存在で気持ちと時間の余裕が更に無くなる 1,9
子どもの発達の遅れと扱いづらさは自分の育児のせいだと思い続ける 7,10
母子通園施設で子どもの発達や行動に向き合うことで心身共に疲れる 2
対応方法が分からず試行錯誤するが上手くいかず楽しみのない育児が辛い 子どもの状態が分からず何もすることができない状況が辛い 4,9
試行錯誤しながら子どもの対応をするが上手くいかない 1,4,7
子どもの育てにくさのために他の母のような育児の楽しみが無く辛い 4,7
食事についての助言を全て試すが子どもが食べないため凄く辛い 1,7
子どもと意思疎通ができず悩む 3,4,6,10
何度注意を繰り返しても聞き入れないため辛い 3,8,10
模倣をしようとせず繰り返し教えても生活習慣が身につかず悩む 2,7
昼夜子どもに振り回され,自分が思い描く日常とは程遠い生活を送る 昼夜子どもに振り回され自分の時間が犠牲になる 3,4,5,6
好きなことができないためにストレス発散の場がない 5
子どもの睡眠リズムの乱れのために家事が捗らない 2,4,7
子どもの行動障害のため外出に不自由さを感じる 5,10
子どもの偏食のために外食の店が限定される 4,6
子どもの行動が周囲から理解されないため外出先で人目を避ける 1,4,7,10
集団の場に子どもが馴染めず外出を控える 1,4,6,7,8
仕事と子どもの療育の両立に葛藤する 働いていたために子どもにかける時間と機会が減ることに葛藤する 2,3,10
子どもの療育のために休みをもらうことに職場への心苦さがある 2,3
子どもの対応で仕事が捗らない 3
子育ての環境が整わないと仕事を続けられない 2,10
他の子と比べて自分の子が違うことを繰り返し目の当たりにし不安にさいなまれる 子どもの状態や行動の理由が分からない 2,4,6,7,8
反応に乏しく母の存在を全く意識しない子どもに戸惑い辛くなる 4,9,10
周囲の人や物に興味や執着がないことに不安を感じる 2,4,9
言語,運動発達,生活習慣の自立の遅れに不安を感じ悩む 2,5,9
1歳6か月児健康診査や未就園児の教室などで同年齢の子との発達の違いを目の当たりにしショックを受ける 4,7,9,10
集団の場面で子どもが落ち着きがなく走り回り参加することができないため悩む 1,7,8,10
母子通園施設の中でも子どもが他の子よりも発達状況に遅れがあることを知り落ち込む 4
子どもの障害を受け入れざるをえないことに苦悩する 健診で発達の遅れを指摘されることを予想し気が重くなる 3,4,9,10
障害や発達の遅れの可能性の提示に疑問と否定の気持ちを抱く 3,4,5,6,7,8,9,10
子どもの障害を受け入れようと苦悩する 3,4
母子通園施設に通うことに抵抗を感じる 1,4,5,10
子どもに対する夫や家族の考え方に違いを感じる 夫や家族に子どもの状態や育てにくさについて理解してもらえない 1,4,6,7,10
夫や家族が子どものことについて自分と同じレベルで考えたり共感してくれない 1,5,7,10
母子通園施設に通うことを夫や家族が賛成してくれない 1,8
夫や家族から子どもの発達の遅れを育て方が悪いと非難される 1,10
夫や家族が子どもの発達を理解してくれないため相談できない 4,5,6,7,9,10
家族への影響を考えて子どもの発達について話せない 1,9
子どもの悩みに共感してくれる友人を見つけることが難しい 子どもの発達の遅れに引け目を感じ,同年代の子を持つ友人との付き合いを減らして疎遠になる 1,3,4
不必要に子どもを叱って会話を楽しめないために友人との外食機会を減らす 4,10
健常児の母には悩みを理解してもらえず共感しあえない 1,4,5,9
同じ境遇で悩みを相談できる友人がいない 1,4,9,10
母子通園施設,健診事後教室の中でも発達の遅れの程度やタイプの違いで母としてのお互いの気持ちが分かりあえない 1,4,9,10
地元の出身では無いため友人がおらず引きこもり気味になる 3,10
子どもを育てるために期待する情報と支援が十分に得にくい 発達障害についての正確な知識や情報を得にくい 4,6,8,9
相談機関や療育施設といった発達支援体制が整っていない 1,2,3,4,5,6
専門職から期待通りの理解が得られない 6,7
子どもの特性や制約のために子育て支援の制度が利用しにくい 2,5,6,7
発達を促すレジャー施設の利用が経済的に負担になる 5

1) 【子どもの発達障害による反応や行動に振り回されながらも付き合い続けざるをえない】

このカテゴリーは事例9を除く9名の母親の発言から抽出された.母親は子どもとの日々の生活の中で《激しい癇癪とこだわりに困りながらも付き合い続けざるをえない》《事ある毎に泣きと癇癪が長引くが切り替えさせることが難しい》《泣き止まない子どもを一日中抱き続ける》状況となっていた.また,子どもの感覚過敏のため《時にパニックを起こすため特定の匂いや音を避けて過ごす》ことを余儀なくされていた.更に,目を離すと走り出すなどの子どもの行動のために母親は《家の中でも外でも子どもから目が離せない》状況となっていた.

場所や人に対しても,子どもは慣れるまでに通常よりも時間がかかるため《特定の人以外や初めての場所を嫌がり慣らすまでに時間がかかる》という困難を母親は感じていた.

睡眠においては《短い間隔で夜泣きを繰り返し睡眠リズムが整えられない》という子どもの睡眠の乱れに昼夜対応せざるをえない状況が示された.食事では《偏食がひどく決まった物しか食べないため食事の内容に苦労する》状況となっていた.また,子どもが《食行動や食に興味が無いため子どもに食べさせることで手間と時間がかかる》大変さを感じていた.

2) 【気持ちと時間の余裕がなく心身共に疲れ切っている】

このカテゴリーは事例8を除く9名の母親の発言から抽出された.抱いていないと一日中泣き続ける,或いは毎日夜中3時まで眠らないなどの子どもの睡眠の問題のため,母親は《子どもが眠ってくれないために自分の眠る時間が無い》状況であった.更に,子どもの睡眠の問題だけでなく母親自身も《子どもの心配事で夜眠れなくなる》状況にあった.また,母親は《言うことを聞かない子どもを追いかけまわし体は疲れ精神的にも傷つく》状態であったため,《育児疲れと睡眠不足で体調を崩しやすい》状態となり,育児放棄の危機感を感じていた.自身の体調不良や,発達検査前で子どもの状態が分からないために母親は《必要以上に子どもを叱り自己嫌悪に陥る》状態となっていた.

母親は《親に辛い時でも頼ることができない》状況に置かれていた.また,子どもにきょうだいがあることで母親は《子どもの同胞の存在で気持ちと時間の余裕が更に無くなる》状況となっていた.こうした中で母親は育児の成功体験が得られず《子どもの発達の遅れと扱いづらさは自分の育児のせいだと思い続ける》状況となっており,自身と子どもについて客観視することができなくなっていた.

母子通園施設に通い始めてからの母親は《母子通園施設で子どもの発達や行動に向き合うことで心身共に疲れる》体験をしていた.

3) 【対応方法が分からず試行錯誤するが上手くいかず楽しみのない育児が辛い】

このカテゴリーは事例5を除く9名の母親の発言から抽出された.母親は《子どもの状態が分からず何もすることができない状況が辛い》と感じながら,日々子どもに対応していた.また,《試行錯誤しながら子どもの対応をするが上手くいかない》ことで,成功体験が得られず《子どもの育てにくさのために他の母のような育児の楽しみが無く辛い》《食事についての助言を全て試すが子どもが食べないため凄く辛い》思いをしていた.

子どものコミュニケーションの障害のため母親は,《子どもと意思疎通ができず悩む》《何度注意を繰り返しても聞き入れないため辛い》状況であった.また,子どもが周囲への関心を持ちにくいことから《模倣をしようとせず繰り返し教えても生活習慣が身につかず悩む》状況があった.

4) 【昼夜子どもに振り回され,自分が思い描く日常とは程遠い生活を送る】

このカテゴリーは事例9を除く9名の母親の発言から抽出された.母親は子どもの行動上の問題のために《昼夜子どもに振り回され自分の時間が犠牲になる》《好きなことができないためにストレス発散の場がない》状況にあった.また,子どもが夜眠らず,昼寝もわずかな物音ですぐ目覚めてしまうため《子どもの睡眠リズムの乱れのために家事が捗らない》状況にあった.

家の外においては,子どもが泣き続ける,どこに行くか分からず目が離せないといった状況のため《子どもの行動障害のため外出に不自由さを感じる》体験を母親はしていた.外食する際も《子どもの偏食のために外食する店が限定される》状況になっていた.

子どもの行動を他の母親や児童館の保育士などから白い目で見られたり,陰でささやかれたことで母親は《子どもの行動が周囲から理解されないため外出先で人目を避ける》状況となっていた.また,母親は子どもに集団の経験や他児との交流をさせるために出かけていたが,《集団の場に子どもが馴染めず外出を控える》ことにつながっていた.

5) 【仕事と子どもの療育の両立に葛藤する】

このカテゴリーは就業していた事例2,3,10の母親の発言から抽出された.母親は,仕事を持つことで《働いていたために子どもにかける時間と機会が減ることに葛藤する》状況にあった.一方職場に対しては,《子どもの療育のために休みをもらうことに職場への心苦さがある》ことを体験しており,子どもと職場それぞれに対して心苦しい思いをしていた.

自営業の母親の場合,子どもの面倒を見ながら仕事をするため,癇癪などの子どもの行動上の問題が仕事に影響する場面が多々あり《子どもの対応で仕事が捗らない》大変さを抱えていた.

仕事と子育ての両立に葛藤し,仕事を続けることの難しさのため母親は《子育ての環境が整わないと仕事を続けられない》状況にあった.

6) 【他の子と比べて自分の子が違うことを繰り返し目の当たりにし不安にさいなまれる】

このカテゴリーは事例3を除く9名の母親の発言から抽出された.母親は《子どもの状態や行動の理由が分からない》ために辛さを感じていた.また,《反応に乏しく母の存在を全く意識しない子どもに戸惑い辛くなる》《周囲の人や物に興味や執着がないことに不安を感じる》体験をしていた.子どもの発達や生活習慣においても《言語,運動発達,生活習慣の自立の遅れに不安を感じ悩む》状況にあった.

母親は子どもと他児を比較し《1歳6か月児健康診査や未就園児の教室などで同年齢の子との発達の違いを目の当たりにしショックを受ける》体験をしていた.また,《集団の場面で子どもが落ち着きがなく走り回り参加することができないため悩む》状況となっていた.更に《母子通園施設の中でも子どもが他の子よりも発達状況に遅れがあることを知り落ち込む》という状況があり,他児との比較で母の不安は繰り返し引き起こされていた.

7) 【子どもの障害を受け入れざるをえないことに苦悩する】

このカテゴリーは事例2を除く9名の母親の発言から抽出された.母親は,子どもの発達に不安を抱えていたため1歳6か月児健康診査や3歳児健康診査について《健診で発達の遅れを指摘されることを予想し気が重くなる》と感じていた.また,子どもの障害の可能性や受け入れについて《障害や発達の遅れの可能性の提示に疑問と否定の気持ちを抱く》《子どもの障害を受け入れようと苦悩する》姿があった.母子通園施設に通うにあたっては,子どもの発達の問題の受け入れができないことや施設への偏見のため《母子通園施設に通うことに抵抗を感じる》状況が母親にあった.

8) 【子どもに対する夫や家族の考え方に違いを感じる】

母親は夫や家族に子どもについて相談していたが《夫や家族に子どもの状態や育てにくさについて理解してもらえない》と感じていた.子どもに対する気持ちの部分では《夫や家族が子どものことについて自分と同じレベルで考えたり共感してくれない》思いをしていた.母子通園施設への通所について相談した際においても,母親は《母子通園施設に通うことを夫や家族が賛成してくれない》状況を体験していた.更に,夫や家族へ相談したことにより《夫や家族から子どもの発達の遅れを育て方が悪いと非難される》体験を母親はしていた.こうした状況により母親は《夫や家族が子どもの発達を理解してくれないため相談できない》状況になっていた.また一方で《家族への影響を考えて子どもの発達について話せない》状況も母親にはあった.

9) 【子どもの悩みに共感してくれる友人を見つけることが難しい】

このカテゴリーは事例2,6,7,8を除く6名の母親の発言から抽出された.母親は,子どもの障害に気づく以前からの友人との関係で《子どもの発達の遅れに引け目を感じ,同年代の子を持つ友人との付き合いを減らして疎遠になる》《不必要に子どもを叱って会話を楽しめないために友人との外食機会を減らす》状況になっていた.

他の母親との関係では,健常児の母が良かれと思って言う励ましの言葉に深く傷ついた体験などから《健常児の母には悩みを理解してもらえず共感しあえない》と感じていた.また,健常児の母には理解してもらえないと思い自分で壁を作るなどのため,《同じ境遇で悩みを相談できる友人がいない》状況にあった.母子通園施設や健診事後教室といった場においても《母子通園施設,健診事後教室の中でも発達の遅れの程度やタイプの違いで母としてのお互いの気持ちが分かりあえない》思いを母親はしていた.

子どもの年齢が低い時期の母親においては《地元の出身では無いため友人がおらず引きこもり気味になる》ことが示された.

10) 【子どもを育てるために期待する情報と支援が十分に得にくい】

母親は,子どもの状態を理解するためにインターネットや本で情報を求めていたが,《発達障害についての正確な知識や情報を得にくい》ことを体験していた.また,《相談機関や療育施設といった発達支援体制が整っていない》ことを感じていた.本来母親を支援,理解するべき存在である専門職からは《専門職から期待通りの理解が得られない》ために,困難感を増やすこととなっていた.

子育て支援のための制度については,子どもの感覚過敏のために支援者を受け入れられないなどのため《子どもの特性や制約のために子育て支援の制度が利用しにくい》状況にあった.また,ある特定のレジャー施設は,利用する度に子どもの発達を母親に感じさせるものであったが,家族での利用を重ねることで《発達を促すレジャー施設の利用が経済的に負担になる》状況となっていた.

V. 考察

子どもの発達が気になり始めてから診断を受けるまでの期間の診断前の児を育てる母親の生活には,分類された10カテゴリーから,「昼夜子どもの問題にまきこまれるために生じる困難」「他の子との違いを繰り返し目の当たりにし不安にさいなまれながら障害を受け入れざるをえない困難」「周囲からの支援が得られず自らも壁を作り孤立していく困難」という3つに大別される困難があることが,本研究で明らかになった.また,診断までの期間が短い事例4,7,比較的長い1,5では,カテゴリーの出現に大きな差がなかった.【対応方法が分からず試行錯誤するが上手くいかず楽しみのない育児が辛い】は比較的長い事例5から,【子どもの悩みに共感してくれる友人を見つけることが難しい】は短い事例7からは抽出されなかったが,その他は長短にかかわらず抽出されていた.他の6事例においても同様に,カテゴリーの出現に大差はなかった.このことより,困難の違いは診断までの期間の長短ではなく,むしろ仕事の有無などの背景に影響されていると考えられた.診断までの期間の長短は子どもの年齢や状態,母親(保護者)が受診意向を固めるまでに要した時間によっても影響されるが,困難とする内容に大きな違いがなかったことが本研究で明らかになった.

1. 昼夜子どもの問題にまきこまれるために生じる困難

【子どもの発達障害による反応や行動に振り回されながらも付き合い続けざるをえない】ことで母親は【気持ちと時間の余裕がなく心身共に疲れ切っている】状態であった.こうした状況で【対応方法が分からず試行錯誤するが上手くいかず楽しみのない育児が辛い】思いをし,【昼夜子どもに振り回され,自分が思い描く日常とは程遠い生活を送る】状況となっていた.また,仕事を持つ母親は【仕事と子どもの療育の両立に葛藤する】状態となっていた.

本研究では母親は,健常児の育児では体験することのない子どもの発達障害から生じる反応や行動に,昼夜繰り返し対応する困難を感じていた.また,母親は子どもに付き合い続けることで,育児だけでなく心身の健康,家事や外出,仕事につながる困難を感じていたことが本研究で明らかになった.

刀根(2002)は,障害を持つ乳幼児の母親の育児ストレスの内容は,親としての自信のなさや不自由さによるストレスより,子どもの行動特徴による育てにくさのストレスが高いと示している.このことからも母親は,昼夜高いストレスを抱えながら生活していたと考えられた.

母親の【気持ちと時間の余裕がなく心身共に疲れ切っている】状況の背景には,母親の睡眠障害,《親に辛い時でも頼ることができない》《子どもの同胞の存在で気持ちと時間の余裕が更に無くなる》《子どもの発達の遅れと扱いづらさは自分の育児のせいだと思い続ける》などの状況が存在した.

母親の睡眠障害は様々な精神的,身体的疾患の危険要因となるため,健康面を考える上での重要な要因であるとされ,不眠は不安や抑うつより生じたものか,子どもの不眠に影響を受け,親の睡眠が影響されたものかによって支援が違うために注意が必要とされている(古澤ら,2009).しかし本研究では母親は,母親自身の不安と子どもの不眠の双方の影響を受けて昼夜眠れない状況に陥っていた.また,体調不良のため育児放棄の危機を感じていた母親もいた.このため,子どもの年齢が低い時期から,母親が不眠を含めた健康面について気軽に相談できる機会と場所を提供すると共に,危機を感じた場合の相談支援先や母親がレスパイトとして利用可能な制度の確保など地域の支援体制の整備が必要であると考える.

健常の乳幼児をもつ母親の育児困難に関する先行研究では,母自身自分から頼れない・頼らない傾向があり,その結果周囲への相談ができずに孤立し,子育ての責任を一人で負わなければならない負担感を感じていたと示していた(東ら,2009).健常児の母は自ら頼れないことで負担感を増しているが,本研究では母親は周囲へ頼りたくても頼れない状況に置かれていたため,更に孤立し,負担感を増していたことが予想された.このことより,母親を理解し,支援するためには子どもの状態だけでなく,他のきょうだいの存在や支援の多寡といった,母親の状況によって困難さを感じることがあることを考慮した支援の実施が必要であると考える.

安田ら(2012)は,発達障害と診断されている児を持つ母親には,子どもの育て方を責められるといった親としての自信を失わされるような経験も少なくないことを示している.本研究でも母親は,夫や家族から非難され,子どもの発達の遅れと扱いづらさを自分の育児のせいだと思い続けていた.診断後であれば,子どもの行動障害などについて理解することが可能であるが,本研究では母親は診断名を逃げ道とすることができず,自責の念を更に強くしていたことが考えられた.

母親は子どもが診断前のため,子どもの状態や対応方法が分からず《子どもの状態が分からず何もすることができない状況が辛い》《食事についての助言を全て試すが子どもが食べないため凄く辛い》といった体験をしていた.東ら(2009)は健常児の母親の育児困難に関する研究において,子どもの発達の中で見られる,正常な子ども本来の姿や反応を知らなさすぎることが母親の自信のなさにつながっていることを報告している.本研究ではきょうだいがなく育った事例5,10において,比較的多くのサブカテゴリーが抽出されていたが,きょうだいがある事例4,7では更に多くのサブカテゴリーが抽出された.このことより,きょうだい経験の有無に関わらず母親は,子どもの状態が分からないことが自信のなさだけでなく辛い体験にもつながっていたことが本研究で示された.このため,母親の育てにくさを軽減し,親としての自信を高めるためには,子どもの状態を理解するための具体的な情報提供と対応方法を学ぶための継続的な支援が求められると考える.母親が子どもへの対応に試行錯誤する状況については,子どもの年齢が本研究より高い発達障害児の先行研究(松岡ら,2013山下ら,2013安田ら,2012)においても示されていたが,本研究によって広汎性発達障害児の母親は子どもの年齢が低い時期から子どもへの対応に困難を感じていることが示された.

仕事を持つことは,母親の生活の中において大きな時間を占めることとなる.しかし,子どもの発達を促すために療育は必要なものであり,母親も必要性を感じているため,本研究で仕事を持つ3事例とも【仕事と子どもの療育の両立に葛藤する】状況となっていた.母親は《子育ての環境が整わないと仕事が続けられない》としており,子育て支援の枠組みの中で母親の就労を継続させる支援について,関係機関と検討していくことが必要である.

2. 他の子との違いを繰り返し目の当たりにし不安にさいなまれながら障害を受け入れざるをえない困難

【他の子と比べて自分の子が違うことを繰り返し目の当たりにし不安にさいなまれる】では,母親が自分の子について《子どもの状態や行動の理由が分からない》不安に加え,子どものきょうだいとの比較や公園やお遊び会,健康診査や母子通園施設に行ってさえ他の子と違うことを自分の目で繰り返し確認し,不安にさいなまれる苦しさあったことが本研究で明らかになった.この状況は【子どもの障害を受け入れざるをえないことに苦悩する】状況と同様に,診断前の母親の心理的な困難を示す特徴的なものであると考えられ,この状況が長引くことで,母親の苦悩は増すことにつながると予測される.先行研究では親にとって最もつらい時期が,子どもの障害に気づく時期から診断までの時期であり(相浦ら,2007宮内,2012),本研究においても母親は子どもの状態が分からないことで苦悩していた.

障害の疑いの指摘が後の母の精神的安定につながる可能性が示されていること(相浦ら,2007)から,保健師は健康診査などの機会において臨床心理士などの関係職種と連携し,母親が子どもを理解できるための支援につなげていくことが必要である.ただし,笹森ら(2010)は,乳幼児期では発達障害の可能性はあるが確定診断がつきにくい子どもの割合が多いことを示している.この点に配慮し,母親の気持ちに寄り添いながら,子どもの状態について母親が理解し,今後の見通しが持てるための情報提供をしていく必要がある.

3. 周囲からの支援が得られず自らも壁を作り孤立していく困難

母親は【子どもに対する夫や家族の考え方に違いを感じる】【子どもの悩みに共感してくれる友人を見つけることが難しい】ために壁を作り孤立していた.また,母親を取り巻く環境は,【子どもを育てるために期待する情報と支援が十分に得にくい】状況であった.

母親は,夫や家族,地域の人々から理解や支援が得られないことで孤立していた.更に本研究では,本来ピアサポートが期待される母子通園施設などにおいても,母親は子どもの状態の違いで互いに理解しあえず,孤立している状況が明らかになった.また,古くからの友人にも悩みを理解してもらえないと感じ,意識的に会う機会を減らし自ら孤立する状況が明らかになった.

渡邊(2014)は,母親が周囲から感じる圧力や理解されないことの辛さにについて,思いを安心して語ることのできる援助関係の形成,親子教室や通園施設のプログラムにおけるグループダイナミクスを活用した支援の展開,家族や保育所に働きかけ,母親を取り巻く人間関係の改善が求められるとしている.母親が地域の中で孤立しないために,市町村保健師にはこれらの支援提供していくことが求められる.また,母親の気持ちに寄り添う心理的支援を継続的に行いながら,気軽にいつでも相談できる機会と,場所の提供が求められる.更に,母親が子どもの状態について理解し,今後の見通しが持てるための情報提供についても,健康診査などの機会を活用して実施していく必要があると考える.こうした個別の支援と併せて保健師は,子どもの発達に不安のある母が安心して利用できる場所の整備,発達障害に関する情報提供などといった地域の課題について,関係機関と共に取り組み,支援体制を整備していくことが必要であると考える.

VI. 研究の限界と課題

本研究では,B市1市において調査への同意が得られた母親が10名と限られており,更に子どもが男児のみに限られていた.また,仕事を持つ母親は,10名中3名であり,事例数が少ないことによる限界がある.加えて,本研究は,半構造化面接によりデータを収集している.母親が当時を振り返ることで事象を客観的に捉えることができた半面,語られた内容が時間の経過により母親にとって印象的な内容に限定されている可能性があるという限界がある.

診断前の児を育てる母親を理解し,生活上の困難の特徴をより明らかにするため,他の障害の子どもを育てる母親と比較することは今後の研究課題である.

謝辞

本研究の主旨をご理解いただき,貴重な話をお聞かせいただいた皆様と,研究の場を提供してくださいました母子通園施設の施設長,データ分析の際助言をいただきました愛知県立大学大学院看護学研究科の片岡純先生に,心より厚く御礼申し上げます.なお,本論文は,平成27年度愛知県立大学大学院修士課程に提出した論文の一部を加筆修正したものである.

文献
  •  相浦 沙織, 氏森 英亞(2007):発達障害児をもつ母親の心理的過程―障害の疑いの時期から診断名がつく時期までにおける10事例の検討―,目白大学心理学研究,(3),131–145.
  •  東 雅代, 西村 真実子, 米田 昌代,他(2009):乳幼児をもつ母親の育児困難の状況―母親および子育て支援に関わるエキスパートへのフォーカス・グループ・インタビューから―,石川看護雑誌,6,1–10.
  •  古澤 亜矢子, 浅野 みどり(2009):学童期から思春期における広汎性発達障害をもつ子どもと家族の健康及び家族機能に関する文献検討,日本看護医療学会雑誌,11(2),1–7.
  • 厚生労働省(2006):軽度発達障害児に対する気づきと支援のマニュアル 第二章 実証的研究成果,http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken07/h7_02a.html(検索日2014年8月30日)
  •  松岡 純子, 玉木 敦子, 初田 真人,他(2013):広汎性発達障害児をもつ母親が体験している困難と心理的支援,日本看護科学会誌,33(2),12–20.
  •  宮内 環(2012):発達障がい児をもつ家族に関する文献検討―心理社会的な問題に関する研究の動向と課題―,小児保健研究,71(2),282–288.
  • 文部科学省:初等中等教育局特別支援教育課(2012):通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果,http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1328729.htm(検索日2015年2月4日)
  •  永田 雅子(2012):【発達障害児の家族支援】子育て支援の延長にある家族支援,発達障害医学の進歩,24,7–13.
  •  野邑 健二(2012):【発達障害児の家族支援】家族への支援の重要性,発達障害医学の進歩,24,1–6.
  •  笹森 洋樹, 後上 鐵夫, 久保山 茂樹,他(2010):【発達障害のある子どもの早期からの総合的支援システムに関する研究】発達障害のある子どもへの早期発見・早期支援の現状と課題,国立特別支援教育総合研究所研究紀要,37,3–15.
  •  刀根 洋子(2002):発達障害児の母親のQOLと育児ストレス―健常児の母親との比較―,日本赤十字武蔵野短期大学紀要,15,17–23.
  •  渡邊 充佳(2014):わが子が「自閉症」と診断されるまでの母親の経験の構造と過程―自閉症児の母親の葛藤のストーリー―,社会福祉学,55(3),29–40.
  •  山下 亜紀子, 河野 次郎(2013):発達障害児の母親が抱える生活困難についての研究,日本社会精神医学会雑誌,22(3),241–254.
  •  安田 すみ江, 後藤 麻美, 加村 梓(2012):発達障害を持つ児の保護者の育児上の困難さに関する調査,小児保健研究,71(4),495–500.
 
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