抄録
種子からスイカ果実汚斑細菌病菌Aacを直接検出する方法を開発した.方法は種子の洗浄水をメンブレンフィルターでろ過濃縮した後,LAMP法で検出するものである.病原関連遺伝子であるhrpG およびhrpX 遺伝子間スペーサー領域から設計したLAMPプライマーはAacのDNA断片を特異的に増幅した.本法により,スイカ,トウガン,マクワウリ種子それぞれ1000粒の洗浄水にAacを約1×103 cfu添加した場合まで検出可能であり,その検出時間は約2時間であった.さらにスイカおよびメロンの自然汚染種子6試料の洗浄水のすべてから本細菌に特異的なLAMP増幅がみられた.このことから,本法はAac汚染種子からAacを直接検出する手法として実用可能であると考えられた.