日本植物病理学会報
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原著
LAMP法を用いた種子からのスイカ果実汚斑細菌病菌(Acidovorax avenae subsp. citrulli )の検出
大矢 仁志中川 寛章齊藤 範彦上松 寛小原 達二
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2008 年 74 巻 4 号 p. 304-310

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抄録
種子からスイカ果実汚斑細菌病菌Aacを直接検出する方法を開発した.方法は種子の洗浄水をメンブレンフィルターでろ過濃縮した後,LAMP法で検出するものである.病原関連遺伝子であるhrpG およびhrpX 遺伝子間スペーサー領域から設計したLAMPプライマーはAacのDNA断片を特異的に増幅した.本法により,スイカ,トウガン,マクワウリ種子それぞれ1000粒の洗浄水にAacを約1×103 cfu添加した場合まで検出可能であり,その検出時間は約2時間であった.さらにスイカおよびメロンの自然汚染種子6試料の洗浄水のすべてから本細菌に特異的なLAMP増幅がみられた.このことから,本法はAac汚染種子からAacを直接検出する手法として実用可能であると考えられた.
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© 2008 日本植物病理学会
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