抄録
トルコギキョウの水耕栽培の安定生産を目的とし,病害の発生を抑え,なおかつ栽培終了時において,処理した薬剤の養液内における薬効成分が農薬の登録保留基準を下回る施用方法の検討・試験を行った.その結果,アゾキシストロビン・メタラキシルM粒剤0.25 g/株および0.5 g/株を定植後まもなく株元に処理することにより,根腐病の発生を抑制することが可能となり,なおかつ栽培終了時の養液において,農薬の登録保留基準値を下回る薬効成分が検出されるに留まった.同様の試験を2カ年に渡り実施した結果,同様の病害防除効果および農薬の保留基準値以下の検出となり,アゾキシストロビン・メタラキシルM粒剤1回処理が養液栽培におけるトルコギキョウ根腐病の防除に有用であることが明らかとなった.