日本植物病理学会報
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原著
未硬化葉を用いたマンゴー炭疽病の簡易病原性検定法とマンゴー遺伝資源における抵抗性品種の選抜
澤岻 哲也與儀 喜代政仲村 昌剛松村 まさと
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2019 年 85 巻 4 号 p. 345-352

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抄録

我が国のマンゴーの主要品種‘アーウィン’は炭疽病に弱いため,収穫までに年数回の薬剤防除が行われるが,労力・コストの負担軽減と安心・安全な食料要求の高まりから,炭疽病に強い抵抗性品種の開発が求められている.そこで,本研究では簡易で正確な本病の病原性検定法を確立し,本検定法を用いたマンゴー遺伝資源の炭疽病抵抗性を評価し,本病に強い育種素材の選抜を行った.その結果,マンゴー未硬化葉(SPAD値:9.5~24.3)を接種葉とし,病原菌接種時の分生子濃度は104個/ml以上,培養温度を25~30°Cに設定して,暗条件下で5日間培養することで,安定した病斑の形成を示した.そこで,遺伝資源27品種について本検定法と果実接種による評価を比較した結果,両接種間の発病度に正の相関が認められ,本病に強い抵抗性品種として‘ゴールデンナゲット’が明らかになった.以上より,本検定法を用いることでマンゴーの遺伝資源や雑種後代の中から効率よく炭疽病抵抗性を評価・選抜できると考えられる.

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© 2019 日本植物病理学会
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