2025 年 91 巻 3 号 p. 135-142
レタスビッグベイン病の発病に影響を及ぼす要因を探索するため,香川県西讃地域の年明けどり作型のレタス圃場を対象として,土壌理化学性項目,ウイルス量,発病株率,栽培概況,定植後の降水量を調査し,その結果を一般化線形混合モデルで解析した.カルシウム,水中沈定容積,ウイルス量,施肥窒素量が多い圃場では発病株率が増加する傾向が見られた.全炭素,定植後7日間連続無降水日数が多い圃場,薬剤防除を行った圃場では発病株率が減少する傾向が見られた.このことから,土壌診断を活用した適正施肥や有機物投入,圃場の排水対策や長雨前の定植を避けることが,発病抑制に有効であると考えられる.これらは基本技術として取り組みやすく,薬剤防除や抵抗性品種と組み合わせて,栽培を行うことが望ましいと考えられた.