日本植物病理学会報
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大豆の一新線蟲病「萎黄病」
勝藤 孝一
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1919 年 1 巻 2 号 p. 12-16

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抄録
1) 大豆諸種病害中本被害程恐るべきものなきが如し。
2) 葉片黄化、生長停止を以て病状の重なる特徴とするが故に萎黄病と呼ばんとす。
3) 本被害は大豆の細根に線蟲の寄生するが爲めに惹起すHeterodera radicicolaの寄生の場合即ち根に瘤瘻を生ずるが如きことなし。
4) 病原蟲はH. Schachtiと稱する有名なる線蟲なり。
5) 海外に於てはH. radiciolaの大豆に寄生することを記せるものは已に之れあり、然れども本線蟲の寄生を報せるものを見ず。
6) 本邦に於ては堀氏、石川氏が病蟲害雑誌上に報告せられたるものは之れと同一なるものと信ず。
7) 北海道に於ては膽振國伊達村、壯瞥村、虻田村及び幌別村に本被害ありて伊達村最も慘害を被りつゝあり。
8) 本線蟲は大豆の外菜豆及小豆に寄生す。
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