日本植物病理学会報
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Lembosia tikusiensisの寄生による新斑竹“瓔珞紋竹”
日高 醇
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1940 年 10 巻 2-3 号 p. 150-153

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抄録
1937年6月福岡市近郊の寳満山にハチクの新斑竹を採集し,又1939年2月豊前國英彦山の土産物店で英彦山登山記念の杖の中に同様の紋のある竹の杖を見出して,その産地が熊本縣球磨郡と宮崎縣兒湯郡との境に聳ゆる市房山の麓一帶の廣い範圍である事が判つた。
該斑竹は未知の菌の寄生によるものであり,又斑竹としての名稱も與へられて居なかつたので,茲に菌名をLembosia tikusiensisとして九州の古名筑紫國の名に因み,斑竹名を瓔珞紋竹と命名した。
本斑竹は市房山麓一帶に相當の産額があり,又斑竹類中最も美麗なものであつて竹種がハチクであるから杖その他の工藝品として用途は廣いであらう。
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