日本植物病理学会報
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栽培條件により抵抗性を異にせる稻を通過したいもち菌の病原性の差異
高橋 喜夫
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1949 年 13 巻 1-2 号 p. 19-20

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抄録

1. 種々異つた外圍條件で栽培され, いもち病に對して抵抗性に差異を生じた稻に單胞子を起源とするいもち菌を接種し, 各條件下の稻の病斑から得た胞子の病原性を比較した。
2. 窒素, 加里の施與量及び露風によつて抵抗性に差異を生じた寄主を通過したいもち菌の病原性の強さは, 寄主の抵抗性の強さと逆比例してゐたが, 乾燥及び珪酸施與によつて抵抗性の強くなつた寄主を通過したものは, 病原性が標準區よりも寧ろ強かつた。
3. 以上の結果から, いもち病に對する抵抗性の機構として知られてゐる, 寄主の生理的機構と, 形態的機構とは, 各々他と無關係に全く單獨に存在し得ると推論した。

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