日本植物病理学会報
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Cephalothecium菌による農作物の人爲免疫法に關する研究
第2報 Ceghalotheciumの菌糸乾燥粉末が葉稻熱病の發生に及ぼす影響
吉井 啓
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1950 年 14 巻 1-2 号 p. 9-10

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抄録

(1) Cephalotheciumの菌絲乾燥粉末を以て處理した場合稻苗が葉稻熱病の感受性に如何なる變化を示すかをみるため本實驗を施行した。
(2) 栃内氏培養液に25℃で60日間培養した菌絲を, 2,000倍昇汞で處理後乾燥粉末とし,蒸溜水の重量當0.1%, 0.05%, 0.025%及0.0125%量を混入,これに稻苗の根部を48時間浸漬後病原菌を接種した。
(3) 處理後の稻苗の生育は,對照區に比し著しい差異は認められないが, 0.1~0.5%區では葉色が著しく濃緑色を呈し, 0.025%區でも可成の濃色を認めえた。
(4) 0.05%以上の添加量により病斑數は約50%以上減じ, 0.0125%量でも尚對照區より15%前後の減少を示し,該菌の菌絲乾燥粉末は稻熱病に對し或程度の感受性の低下を原因するものと考えられる。

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