日本植物病理学会報
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小麥の雪害を支配する2,3の要因に就いて
富山 宏平
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1952 年 16 巻 3-4 号 p. 113-116

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抄録
麥の雪害の主要な原因が病原菌であることに就いては既に松尾などにより證明せられた。筆者も高濃度のセレサン撤布試驗により,標準區では殆んど全株が腐敗する場合でも,一葉も損じない状態で雪害を防除し得ることを明かにして,小麥の雪害は病原菌による腐敗であると結論した。從つて雪害の機構の解明は病原菌に對する小麥の抵抗性の知識に基かねばならぬ。ここに述べる所はTyphula屬菌による雪害の機構及びそれに關連する小麥の越冬性を支配する要因に就いての考察である。本研究を遂行するに當り御教示並に御校閲を賜つた北海道大學栃内教授,常に御指導を賜つている北海道農業試驗場病蟲部長田中技官,御教示を賜つた東北大學坂本教授に心から感謝申上げると共に本研究に御助力を賜つた方々に對し深く感謝申上げる次第である。
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