抄録
1. 馬鈴薯種間雑種北海10号の塊茎切断面に対して, 病原性をもつ疫病菌系統およびもたない系統を接種した。前の場合には罹病性となり, 後の場合には抵抗性となる。このそれぞれの場合に於ける生理的変化を調べた。
2. 抵抗性を示す場合には, その組織では呼吸が増加し, 同時に水溶性蛋白, Polyphenol 化合物含量の増加が見られた。罹病性を示す場合にはその傾向が著しく少ない。
3. 以上から馬鈴薯の疫病に対する抵抗性はその侵入初期に呼吸の増加を伴い, その energy は energy 伝達回路をへてその組織に於ける生化学的合成反応に利用されるであろうと推定した。