日本植物病理学会報
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秋落稲の胡麻葉枯病罹病性に関する研究
第6報 病態稲の2, 3生理学的観察(その1)
浅田 泰次
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1957 年 22 巻 4-5 号 p. 178-182

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抄録
1. 稲胡麻葉枯病菌の培養濾液内に正常及び秋落稲の健全部及び罹病部を入れその重量変化並びに溶出した窒素量を測定すると健全部及び秋落稲罹病部は重量減少,窒素の溶出が大で正常稲の罹病部は少なかつた。即ち正常稲の病斑部近辺では窒素化合物は不溶性になつていると考えられる。2. 感染に伴う稲葉内thiamine量の変化及びthiamine破壊物質の生成をみると秋落稲は最初からthiamine量多く,正常稲では感染初期に著しいthiamineの破壊が行われるが,秋落稲では破壊が少い。3. 正常及び秋落稲共に感染によつて呼吸が増大するが正常稲は呼吸に伴う燐酸のTurnoverが有効であり秋落稲では不充分で呼吸基質を無駄に消耗している。4. 無酸素下では病斑の拡大が全く起らない。
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