日本植物病理学会報
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Erwinia carotovora (Jones) Holland の生産する2種の液化型ペクチナーゼについて
I. 生産条件
後藤 正夫岡部 徳夫
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1962 年 27 巻 5 号 p. 231-238

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抄録

1. 合成培地における E. carotovora のDP生産は, 初期pHによつて左右され, pH=6.0以下ではいちじるしく生産が阻害される。ことにDPbでは影響が大きく, ほとんど生産されない。
2. 合成培地にペプトンを添加するとDPaの生産は促進されるが, DPbの生産は低下する。グルタミン酸Naの添加は両酵素の生産を促進する。
3. ブイヨンではDPaに比べてDPbの生産は著しく低い。
4. Ca++を含む合成培地ではDPbは認められない。
5. 両酵素ともペクチンを基質とした緩衝能の高い合成培地で最も多量に生産される。
6. 好気的な培養条件ほどよく生産されるが, その影響はPMEにおけるほど大きくはない。
7. DPの生産はその種類には関係なくいずれも菌株によつて著しい相違がある。

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