日本植物病理学会報
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シトリニンによるタバコモザイクウイルス感染グルチノーザ葉におけるオキシダーゼ活性の阻害
安田 康野口 照久岡田 勝彦青木 旦治
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1970 年 36 巻 1 号 p. 27-35

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抄録

Penicillium sp. AK-019の培養〓液中から分離したシトリニンによって,タバコモザイクウイルス(TMV)に感染したグルチノーザ葉上の局部病斑形成が阻止された。その原因の一つとして,シトリニンがペルオキシダーゼおよびポリフェノールオキシダーゼの活性を阻害することがあげられる。両オキシダーゼの活性は,シトリニンの処理時間を長くするにしたがって低下した。シトリニンの5時間処理では,ペルオキシダーゼに対する阻害程度はポリフェノールオキシダーゼに対するそれより高かった。TMVの感染による両オキシダーゼ活性の増加は,局部病斑が形成されるのと同じ時期に始まった。一方シトリニンによる活性の低下は,感染後短時間で見られ,48時間後には最高に達した。その後はこれらの活性は幾分回復した。両オキシダーゼの活性は,250ppmのクエン酸鉄あるいは100ppmの硫酸銅をシトリニン処理葉に吸収させた場合,幾分回復した。局部病斑の形成も,無処理にくらべて回復した。シトリニンの局部病斑形成と両オキシダーゼの活性に対する阻害機作について論議した。

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