抄録
イネごま葉枯病菌分生胞子は100-500kg/cm2の静水圧下で28℃, 5時間連続加圧されたとき,発芽管長は加圧度の増すにつれて短くなった。その発芽管の形状は糸状,長楕円状,そして球状へと変った。発芽管における核は無処理では細胞内に分散していたが,200kg/cm2では桑果状であった。600kg/cm2およびそれ以上の静水圧では分生胞子の発芽はみられなかった。
上述のように100-700kg/cm2で加圧して得た分生胞子をスライド上で発芽に好適な条件下においたところ,すでに生じていた異常な発芽管および発芽しなかった分生胞子から普通の発芽管が旺盛に伸長した。しかしこれらの発芽管は静水圧が高くなるにつれて異状分岐の割合を増した。