1.
Rhizoctonia solani (
Thanatephorus cucumeris)の菌糸融合群6群について,生育温度,伸長速度,菌糸幅,核数,培養菌叢の形態を調べ,既報の研究との対比を試みた。
2. 菌糸融合群第1群は好高温性であり,伸長速度はもっとも大であった。菌核組織は緻密であり,この群にはイネ紋枯病菌,くものす病菌が含まれる。
3. 第2群は好低温性であり,赤褐色の菌核が輪紋状に形成されるものがほとんどであった。
4. 第3群も好低温性であり,また菌糸幅のもっとも大きい群であった。この群の菌株のほとんどがジャガイモから分離されたものであった。
5. 第4群はもっとも好高温性で,菌糸幅が細く,“praticola type”に属し,その菌叢はしもふり状を呈した。
6. 第5群は土壌からの分離株に多く,黄白色の菌叢をもつ。
7. 第6群はサトウダイコンからの分離株が大半をしめ,菌叢は黒褐色に着色し,その菌核組織は粗であった。
8. 第1群,第2群,第3群,第4群はそれぞれ,SchultzのI, II, III, IV群に,Richter & SchneiderのA, D, F, C群に,ParmeterらのAG-1, AG-2, AG-3, AG-4に,また渡辺・松田のイネ紋枯病系および樹木苗くものす病系,アブラナ科低温系,ジャガイモ低温系,苗立枯病系に相当する。第5群はRichter & SchneiderのB群に相当すると考えられる。第6群は渡・松田のイ紋枯病系およびサトウダイコン根腐病系に相当する。
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